FXを行なっていると、時折チャートの値動きが不可解な動きを見せる時があります。

そして、理論上は勝てるはずの相場で負けてしまう事があるのです。

そこで、この章ではFXにおける負けるという事について書いていこうと思います。

 

 

 

 FXの負けには理由がある

登場人物h

今から話す部分は、FXにおいてものすごく重要で、絶対に知っておかなければならない部分なので、心に刻んでおいて下さい。

FXの世界、言い換えれば為替市場には、我々トレーダーなどの投機筋から実際の需要に基づいて取引を行う実需筋など様々な人たちが存在しています。

その為、相場の変動要因も一つだけではありません。

相場の変動要因は主に3つあります。

相場の変動要因

①テクニカル要因
→チャート上の値動きやインジケーターのシグナル等により行われる取引による相場変動のこと。

②ファンダメンタルズ要因
→要人の発言や経済指標の発表、金利の変動などで起こる相場変動のこと。

③実需要因
→貿易の決済や金利配当の受け取り、海外旅行の代金支払いなどで起こる相場変動のこと。

 

登場人物C

テクニカル要因を分析することに関しては、2章で説明しているので理解できているかと思います。

問題なのは②と③です。

 

 ファンダメンタルズ要因とその対策

気を付けなければならないのがファンダメンタルズ要因による変動です。

では実需要因による変動は気を付けなくても良いのかというと、そうではありません。

この二つの要因の決定的な違いはファンダメンタルズ要因の大半は回避できるという事です。

登場人物C

経済指標の発表や要人発言の大半は、日程が発表されています。

突発的なファンダメンタルズ要因である戦争の勃発や自然災害の発生、政府の介入等以外のものは対応策が立てられるので気を付けましょうという意味です。

 

ファンダメンタルズ要因による変動の対応策

①経済指標の発表や要人発言が行われる時間にはポジションを持たない。
②ポジションを持つなら損切りの設定は必ず行う。
※損切りについては、後に資金管理の項目の所でしっかりと説明します。
③突発的な出来事に関しては、起きてしまったら諦める(苦笑)
→いつ起こるかわからない事に神経を使わず、損切り設定をして損失を最小限に減らしましょう。

ここで皆さんには、過度な損失を防ぐ手段として損切り設定というものがあるという事を覚えておいて欲しいです。

登場人物h

起きる事が分かっているファンダメンタルズ要因には近づかない。
そして、どんな事があっても、必ず損切り設定を行う。
これを徹底しましょう。

 

 実需要因から考える聖杯の有無

FXの世界には2種類の人間が存在します。

1つ目は我々のようなFXトレーダーで、外国為替市場で通貨の売買を行い、その価格変動による利益を目的に行動する投資家。

2つ目は実需取引を目的とする人たち。

上記した不可解な動きを見せる相場状況には、この2つ目の実需取引をする人たちが絡んでいる事が多いのです。

 

相場変動要因の実需取引

①貿易の決済
②旅行等の代金支払い
③金利配当の受け取り

これらの取引は、その時点での相場がどのような状態であろうと行われる為、テクニカル分析を行う事で取引する方からすると不可解な動きに見えてしまうのです。

実はこれが、先ほど聖杯は存在しないと言った理由にもなっているのです。

聖杯とは必ず勝てる取引方法・手法を指すとされていますが、その必ず勝てるポイントを教えてくれるとされるインジケーターは、チャートの中の情報をわかりやすく私たちに伝えてくれるものでしかありません。

しかし、そんなチャートの中の情報など一切関係なく行われるのが実需取引です。

登場人物C

極端な例を挙げると、明らかな下降トレンドが発生している時に、貿易を営む商社数社が大量の原油などを購入して一気に値が動き、下降トレンド否定となる前回の安値を更新せずに高値を切り上げてしまい、それにより損切りポイントをさわって決済してしまったみたいな感じでしょうか。

こういった事例がある限り、相場において100%勝てるなどという事はあり得ないのです。

つまり、諸事情を一切無視して行われる取引である実需が存在している限り、必ず勝てる取引方法・手法など存在する訳がないと言い切れるのです。

そして、どんなにテクニカル分析が完璧な凄腕のFXトレーダーでも、負けることはあるということです。

登場人物j

ちなみに私の勝率も6〜7割程度でしかありません。

にもかかわらず、毎月コンスタントに利益をあげていられるのは、損切り設定を徹底するなどの資金管理を怠らないからです。