第1章でFXは綱引だと言いましたが、その綱を引いている人の数は同じではありません。

綱を引く力は、売り・買いそれぞれ参加している人の資金の合計で決まります。

登場人物C

ゆえにFXで相場の方向性を知るには、一部の例外を除き、多くの人たちがどう考えているかを知る事が重要になるのです。
※一部の例外とは、ヘッジファンドの参入や国家の為替介入など

なので、この章ではFXの世界で多くの人たちが、どのような知識を基に相場に参加しているかについて書いていこうと思います。

 

 トレンドフォロー

まずはじめに、私がトレンドフォローを基にトレードを行うトレーダーであることを御理解ください。

これは、相場が上昇している時は買い、下降している時には売りを基調とした戦略を立てていく手法の事です。

最初にも書きましたが、相場というものは、上昇すると思う人が多ければ上昇し、下降すると思う人が多ければ下降する多数決が支配する世界です。

登場人物C

チャートの向こうに存在する何百万人ものトレーダー達が上昇か下降かで多数決で綱引を行い、勝った方向へ相場が動いているという事実があるのにもかかわらず、その流れに一個人で逆らった所でどうなるものではありません。

ならば、素直に相場が作り出した流れに乗りましょう。

これがトレンドフォローの考え方です。

下の画像を見てください。

このような流れに逆らって進むのと流れに沿って同じ方向に進むのでは、どちらがスムーズに進めるのかというお話です。

あなた一人がこの流れに逆らって逆走したとしましょう。

それでこの流れを変える事ができると思いますか?

ほぼ無理でしょう。

これを見てわかる様に、相場でも大きな流れに逆らわず、その流れに乗る方が勝つ可能性が高いという事がわかるかと思います。

登場人物h

これが、私がトレンドフォローでトレードを行う理由です。

そうなると重要になるのが相場の方向性の把握です。

大きな流れに乗るには、大きな流れがどちらの方向に向いて流れているのかを把握しなければなりません。

まとめると

相場の流れがどちらに向かっているのか、向かって行こうとしているのかを知り、それに乗っていくという思考が大事

ということです。

ここで重要なのは、相場の流れを知る必要はあるが、決して相場の流れを予想してはいけないという事です。

つまり、上昇している相場を見て、

登場人物d

けっこう上がったから、そろそろ下がってくるんじゃない?

などと予想するのではなく

チャートの向こうにいる何百万もの人たちが、『上昇する』と考えているのか『下降する』と考えているのかを分析して知る

これが勝つ為に重要な事なのです。

登場人物C

この相場の流れ、いわゆる方向性を分析し見極める事ができれば、あとはそれに便乗すればいいのです。

 テクニカル分析

前の項でチャートから相場の方向性を分析し、その流れに便乗すれば良いと説明しましたが、

登場人物B

どうやって相場の方向性を把握するの?

という疑問が出てくると思います。

このチャートから相場の方向性を分析する事をテクニカル分析による環境認識といいます。

テクニカル分析による環境認識

今まで出てきた相場の方向性の事をトレンドと言うので、ここからはトレンドと表現します。
そして、テクニカル分析を行い、トレンドの有無と方向性を認識する事環境認識といいます。

登場人物h

私はこの環境認識移動平均線ダウ理論を用いて行います。

 移動平均線

相場には大きく分けると3つくらいの流れがあると思ってください。

相場の流れ

・大きな流れ⇒大きなトレンドで、週足日足が形成します。
・中くらいな流れ⇒中くらいなトレンドで、4時間足1時間足が形成します。
・小さな流れ⇒小さなトレンドで、15分足5分足が形成します。

相場というものは、大きな流れに抗う事は出来ず、それより小さな流れは大きな流れの方向に収束していく習性があります。

そのことから、大きな流れの把握はチャートを開いたら真っ先に行うべきもので

この流れをチャートに表示してくれるのが移動平均線なのです。

移動平均線とは一定期間の終値の平均値を結んだ曲線で、例えば設定した数値が20ならば、直近のローソク足20個の終値を平均したものが表示されていくのです。

ゆえに、ローソク足の細かな動きに惑わされることなく緩やかな曲線で表示されるので、これを表示させることで相場の流れがどちらに向かっているのかをつかみやすくする事が出来るのです。

登場人物h

相場の中で大きな流れがどちらを向いているのかを把握し、その流れに合わせたトレードを行う事で勝率は格段に上がり、トレード成績も安定してきます。

 

 

 ダウ理論

 

ダウ理論とは、米国のジャーナリストであったチャールズ・ダウ(1851~1902)がウォール・ストリート・ジャーナルで論説していた内容が基になって出来上がった理論で元々は株式市場の理論ではあるのだが、FXにも利用できる性質のものであった。

この理論が現在、世の中で勝っているトレーダーのほぼすべての方が意識しているものとなり、相場におけるルールといっても過言ではない地位を確立しているのだ。

ということで、さっそく本題のダウ理論なのだが、この理論は6つの基本原則で構成されている。

 

ダウ理論・6つの基本原則

・平均はすべての事象を織り込む
・トレンドには3種類ある
・長期トレンドは3段階からなる
・平均は相互に確認される必要がある
・トレンドは出来高でも確認されなければならない
・トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する

ダウ理論は『6つの基本原則』で成り立っていますが、その中でも特に重要な法則がトレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続するというものです。

登場人物C

この法則を理解すれば、トレンドというものについて正確に認識することができるようになるので、必ず・絶対に・どんなことがあっても完璧に理解するよう努力してください!「

トレンドには上昇トレンド下降トレンドがあります。

トレンドの定義

上昇トレンド:最新の安値と高値が、1つ前の安値を切り上げて高値を更新している状態。
下降トレンド:最新の高値と安値が、1つ前の高値を切り下げて安値を更新している状態。

イメージとしては、下の図です。

このイメージが、トレンドが発生している状態です。

では、ダウ理論が言う「明確な転換シグナル」とは何なのか。

登場人物C

ダウ理論が定義している明確なシグナルとは、

上昇トレンドの際に高値が更新されずに安値が切り下げられること

下降トレンドの際に安値が更新されずに高値が切り上げられること

を指します

イメージとしては下の図です。

まず上昇トレンドから

これが上昇トレンドの際に起きる明確な転換シグナルの図です。

aの所で前回の高値の起点となる安値を切り下げた。

これが転換のシグナルであり、ここを越えた時点で上昇トレンドは終了を意味するので、もし買いのポジションを持っていた場合、aのポイントを越えた瞬間にポジションを解消してください。

また、bのポイントだが、高値が切り下げられている状態で、直近の高値の起点となる安値を切り下げるポイントなので、越えた瞬間から下降トレンドが始まります。

登場人物h

bのポイントは下降トレンドの始まりを意味するので、ここで売りのポジションを持つイメージを作ってください。

次に下降トレンド

これが下降トレンドの際に起きる明確な転換シグナルの図です。

cの所で前回の安値の起点となる高値を切り上げた。

これが転換のシグナルであり、ここを越えた時点で下降トレンドは終了を意味するので、もし売りのポジションを持っていた場合、cのポイントを越えた瞬間にポジションを解消してください。

また、dのポイントだが、安値が切り上げられている状態で、直近の安値の起点となる高値を切り上げるポイントなので、越えた瞬間から上昇トレンドが始まります。